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第二北大路機関

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INF全廃条約破綻危機,国連総会第1委員会の米ロ対立とボルトン補佐官-ラブロフ外相会談 補完記事05

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INF全廃条約、それではアメリカの離脱が確実か、と問われますと、まだ余地はある

アメリカはロシアの不履行を理由として挙げていますので、ロシアが履行すれば問題ありません。カリブル巡航ミサイルを一例に挙げていますが、要するに海上配備型以外に陸上配備を行わない言質を採るだけでも、まだ可能性は残るといえます。この点について、ロシア側が話し合いの用意がある事を示していますので、既にアメリカ離脱表明がそのまま離脱決定、外交手続きに入る、というわけではありません

ロシアの懸念は、在独米軍基地にアメリカが地上配備型長距離巡航ミサイルを配備することでしょう。東欧に建設の李雨情型イージスシステムイージスアショアのMk41垂直発射装置にSM-3迎撃ミサイルのほかに、トマホーク巡航ミサイルを配置し、事実上の陸上配備型トマホークを短期間で実施するという可能性も残ります。アメリカの離脱は必然的に、アメリカにもその配備を行う余地を残しますので、ロシアにとって条約が維持される事は全く価値が無い訳ではありません

日本にとっても、そちらのほうが、いい
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北大路機関:補足記事 |

INF全廃条約破綻危機,国連総会第1委員会の米ロ対立とボルトン補佐官-ラブロフ外相会談 補完記事04

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INF条約瓦解について、日本が採り得る選択肢は無かったのか

正直、カリブル巡航ミサイルの地上発射型をロシアが廃棄し、INF条約秩序を護れるよう、働きかける。要するに経済制裁強化を行うほか、ありません。アメリカの視点からみれば、あの2016年のシリア内戦へカスピ小艦隊のコルベットから発射されたカリブル巡航ミサイルが、射程300kmと考えられていた距離を遥かに超えて1500kmを飛翔し攻撃した、500kmから5500kmまでの地上発射型巡航ミサイルを廃棄するという条約から30年近くを経て、堂々と破られていたことは非常な衝撃であり、怒りだったといえるでしょう

カリブル巡航ミサイルも、空対地型と艦対地型の保有については問題ないのですが、コンテナ式発射装置をロシア軍は実用化していまして、コンテナを水上戦闘艦に搭載しても、コンテナ輸送船に偽装して運用する事も、貨物列車から射撃する事も、当然ですがトラックから発射することもできます。ただ、開発には相当の期間を経ている重要な装備ですので、日本が外交的に呼び掛けても、経済制裁を行っても、ロシアが放棄することは考えにくい。唯一の対処法は、日本がロシアを警戒させるほどの規模で同等のミサイル大量配備を決定した上で、INF条約へ加入を示唆し、INF条約からロシアが離脱したならば不利益が生じるという外交交渉を行うことですが、流石にそのような手段は憲法上許されません

平和憲法により、核軍縮の停滞に日本は関与できない一例といえますね
北大路機関:補足記事 |

INF全廃条約破綻危機,国連総会第1委員会の米ロ対立とボルトン補佐官-ラブロフ外相会談 補完記事03

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北大路機関掲載では、影響は小さくは無い、と分析しました、この点について

ロシアがアメリカの中距離核戦力全廃条約離脱を前に、一国だけ中距離核戦力を放棄したまま、とは考えられません。特に現在保有しているカリブル巡航ミサイルについて、地上配備型の強化を行う可能性が高い。具体的には、これまで射程が300km程度とされていたカリブルが、実際にシリア内戦でカスピ小艦隊のコルベットから運用した結果、射程が1500km以上あると判明しまして、条約に違反していたことが明らかとなったのですが、この長射程を隠すことなく今後は正面に出して威圧に用いる可能性があるでしょう

キンジャール超音速巡航ミサイル、現在はMiG-31戦闘機から発射される射程1000km以上でマッハ5以上の超音速巡航ミサイルですが、将来的にはこの迎撃が難しい超音速巡航ミサイルの地上配備型、地上配備型の方が秘匿性に優れ、発射直前まで徴候を察知されない、キンジャール空対地ミサイルを原型に発射ブースターを追加し、キンジャール地対地ミサイル(仮称)というようなものが開発される可能性があります

当たり前ですが、日本にとってもこの条約の無効化は脅威に他なりません

北大路機関:補足記事 |

INF全廃条約破綻危機,国連総会第1委員会の米ロ対立とボルトン補佐官-ラブロフ外相会談 補完記事02

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米、中距離核全廃条約から離脱へ=ロシア違反と批判、来週伝達-NYタイムズ AFP報道です

カリブル/クラブ巡航ミサイルはロシア版トマホークとして1985年に開発され、インドや中国とヴェトナム等へ輸出されていますが、射程が300kmであり、ロシア軍が装備するカリブル/クラブ巡航ミサイルについても射程は300kmであると考えられてきました。しかし、2016年シリア内戦介入に際し投入され、少なくとも1500kmの射程があると判明しました

↓以下AFP
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北大路機関:補足記事 |

INF全廃条約破綻危機,国連総会第1委員会の米ロ対立とボルトン補佐官-ラブロフ外相会談 補完記事01

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INF全廃条約めぐり国連で発言相次ぐ ロシアは米に反論 NHK報道です

INF全廃条約として知られる中距離核戦力全廃条約が瓦解の危機に曝されています。アメリカのトランプ政権がロシアによる違反の疑いが濃厚であるとして条約の破棄を主張し、米ロ対立に新しい火種を生みつつあります。トランプ政権が批判しているのは、ロシア軍が装備している射程2500kmのカリブル/クラブ巡航ミサイルの地上発射型について等です

↓以下NHK
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オーバーツーリズムを考える“持続可能な観光国際”:バブルなのか新需要なのか

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オーバーツーリズムの難点は一種のバブルであるのか長期的な観光客増なのかを見極める事が非常に難しいという点でしょう、長期的な観光客増大ならば郊外ホテル建設や地下鉄延伸などの施策を行えることができるが、バブルならば空振りの懸念が生じます

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この視点、実はこれまで散々特集しています、首都圏ホテル不足、という部分と重なるのかもしれません、観光客の増大で商用や所用の際に首都圏にホテルを確保する事が非常に難しくなっているというもの

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首都圏ホテル不足が超長期的な観光客増大に繋がっているのならば、平塚駅や甲府駅と高崎駅に水戸駅など、周辺部のホテル開発をもう少し進め、平坦な中高層ビジネスホテルではなく、超高層ホテルを意欲的に整備する選択肢もあるでしょう

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しかし、オーバーツーリズム、これが一過性のものであるとしたらば、投資を回収できるのか。オーバーツーリズムの難点はこれが適正値なのかオーバーツーリズムというバブルなのか、此処に尽きるといえるかもしれません

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また、超高層ホテルを林立させる開発が、観光地としての風格に影響を及ぼさないのか、大自然を満喫に、古都の風情を満喫に、訪れてみれば高層ビル群とコンクリートジャングルに“綺麗に開発”してお迎え、では観光地としての価値そのものを破壊しかねません

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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榛名の旅 |

オーバーツーリズムを考える“持続可能な観光国際”:急な観光需要と地元の戸惑い

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オーバーツーリズム、もう一つの姿に京都ではなく大洗、沼津、という場所があるのかもしれません。もともと観光誘致には熱心でしたが、アニメーションの舞台となる事でバブルが生じている

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大洗観光などは当方も幾度か散策しまして、極力現地でお食事と宿泊、経済が廻るように努力しています。大洗は東日本大震災により福島台地原発事故汚染水問題により元々の海水浴観光地であったところが打撃を受けています

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ガールズ&パンツァーというアニメ作品の舞台となった事で、大洗は短期的に大勢の観光客が訪れまして、例えば地元のお祭りであった大洗鮟鱇祭などは元々来場者が数日間で数千人の祭事でしたが、現在は十数万人という規模となりました

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ただ、海水浴場という元々の観光地であった大洗はオフシーズンであれば宿泊施設に余裕があり、街自体が観光慣れしている部分もあり、ここの部分で観光客のバブルというニューカマーの増大がオーバーツーリズムへ至らず済んだといえるのかもしれません

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一方で、沼津、近年にラブライブ!SUNSHINEという作品の舞台となり、急激に観光客が増大しました。沼津は首都圏近郊に位置しますが、その分来訪者も多く、オーバーツーリズム、といえる状態になってしまったのですね、自治体は自粛を呼びかけています

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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榛名の旅 |

空母いぶき映画化と軍事的視点(伊勢の応):F-35B戦闘機を必要とする状況はどんな状況

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海上自衛隊がF-35B戦闘機を必要とする状況はどんな状況か、最も考えられるのは南西諸島の東シナ海以南の南シナ海においてシーレーン防衛を実施する必要が生じた場合でしょう、要するに那覇基地の圏外、東南アジアにはF-35運用基盤もありません

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ヘリコプター搭載護衛艦に搭載したF-35Bは、主として索敵任務に、特に鹿屋基地や那覇基地から運用するP-1哨戒機とRQ-4無人偵察機の大まかな脅威情報に基づいて索敵を行い、敵航空母艦や防空中枢艦と両用戦艦等の高付加価値目標の位置を標定します

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F-35Bはステルス性を有していますので敵防空艦のミサイル脅威下でもある程度の飛行が可能ですし、光学情報を収集するEO-DASを用いればレーダー波を逆探知される危険もありません、万一、Su-30級の敵艦載機が妨害してきた場合はF-35B自身で排除も可能だ

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EO-DASは夜間でも条件次第で150km以遠の艦船を識別可能で、目標情報はそのままF-35間専用ネットワークMADLを通じヘリコプター搭載護衛艦付近のF-35Bへ、そこでリンク16へ変換し、護衛艦部隊へ目標情報を伝送します

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イージス艦のSM-6対空ミサイル射程は370km、ハープーン後継ミサイルとしてJSM艦載型が配備されればその射程も350kmで、敵高付加価値目標を護衛艦が対水上戦闘により撃破する。運用はこうしたものが考えられる。潜水艦や無人機よりも進出が早く確実だ

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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