海上自衛隊哨戒艦はどうなるか”誰が哨戒艦を必要としているか” 伊勢の応2020-09-27 Sun 15:14
![]() 海上自衛隊の哨戒艦、この構想ですがもともとどこから生まれた案なのかが全てを左右するように思うのです。 ・護衛艦隊が多すぎる平時における海上警戒監視任務から護衛艦の訓練不足を痛感し要求 ・地方隊がが多すぎる平時における海上警戒監視任務から掃海艇の訓練不足を痛感し要求 ・与党自民党が現在の安保環境から護衛艦を増強したいが財政上難しい為に新区分を要求 ・防衛省内局が調達の多様化を図る為に護衛艦建造実績の無い造船業事業者に可能な艦を要求 警戒監視任務は重要ですが、護衛艦には訓練があります、いや実任務の方が重要だろう、と反論されるかもしれませんが、護衛艦には年次訓練と年次検定というものがあって、作戦能力を一定程度に保つ必要があります、訓練時間は必要なのですね。一昨年までアメリカ海軍イージス艦が日本近海を中心に商船との衝突事故や座礁事故が頻発しましたが、この際に年次訓練未成、ミサイル防衛等により必要な訓練が出来なかった訓練不足、という実情が露呈しました。すると、適当な小型艦に護衛艦の任務を移管して護衛艦は本来の水上戦闘訓練に充分な時間を確保したい思惑はあるでしょう。 護衛艦の任務を警戒監視任務に限定して移管するならば、それはもう、大きさと凌波性能さえあれば適当な艦船で差し支えありません、老朽護衛艦を武装解除し哨戒艦とする方式もあり得るでしょう、装備が減れば運用する人員も省力化できますし、当直3直体制ではなく2直体制でも対応し得る。はつゆき型護衛艦の巡視船転用が検討された8年前や、戦前の老朽駆逐艦を哨戒艇に点要素たのと同じ。 しかし、政治が護衛艦不足からこれを置き換える艦艇を必要したばあいは、本格的な哨戒艦、オランダのホランド級のような下手なフリゲイトよりも高価なものが要求される可能性があります。現場が必要としているか政治が必要としているか、ということですね。例えば警戒監視に充てるといっても、ソマリア沖海賊対処任務等に護衛艦に代えて派遣し護衛艦を本土防衛とシーレーン防衛に特化させる、という任務を充てるならば、4000tクラスの大型艦が必要となるでしょう、そして高価なものともなります。 内局が調達の多様化を望んだのではないか。例えば30FFMといった護衛艦も三菱重工と三井造船に建造を分けて多様化、寡占を回避しようとしていました。これは三井造船が三井玉野を三菱重工に売却する方針が示された為に、三菱への一極化が進む構図となっているのですが、例えば今治造船や大島造船であっても、哨戒艦ならば建造できるかもしれない、こうした認識があるのかもしれません。この場合は武装巡視船の自衛隊迷彩というものとなるのでしょう。 哨戒艦が必要だ、防衛大綱改訂時に何処の部署が提唱したのかを、哨戒艦の完成像は左右するのかもしれません。 北大路機関 スポンサーサイト
伊勢の応
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