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鞍馬の考:時事論点・・・コラム:衰えるオイルマネーの威力

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コラム:衰えるオイルマネーの威力,ロイターコラムです

オイルマネーの影響力低下、石油価格の低迷と共に産油国の過剰な社会福祉政策への財源ねん出の必要があり、財政健全化に回される事で国際金融市場への影響力は、それでも規模としては膨大ですが、全体への比率が低下しているとの事。産油国は民主化精度を採らず高福祉により国民の不満を抑止している事例も多く、アラブの春民主化運動へも厳しい姿勢を堅持してきましたが、大勢安定には財政安定化が必要、という実情があるようです

↓以下ロイターコラム
FX Forum | 2017年 07月 15日 09:39 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:衰えるオイルマネーの威力
[ロンドン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が、予想通り年内にバランスシートの縮小に着手する場合、過去15年にわたり一貫して米国債を購入してきた最大手の一角は、その穴を埋めたいとは露ほども思わないだろう。
金融危機が発生する以前、石油輸出国は好調な貿易黒字で得た資金を米国債につぎ込んでおり、流入する「オイルマネー」は米債券市場とドルにとって最も強力な原動力の1つとなった。
だが現在、かつてほどオイルマネーは流入せず、今後は枯渇してしまう可能性すらある。FRBによる1.7兆ドル(約193兆円)の債券買い入れという景気刺激策は、石油輸出国からの需要を締め出してしまった。低迷する石油価格のせいで、かつてはとても大きかったそうした国々の貿易黒字も縮小している。
新たに大量の現金をつぎ込んで海外へ投資をするどころか、石油輸出国は自国の財政強化と安定維持に努めている。
産油国による米国債保有規模を正確に知ることは困難だが、一見したところ、こんにちの保有シェアは、10年前に始まった世界的な金融危機以前のそれよりも少ない。
ロイターの計算によると、2007年における中東・アフリカ地域の産油12カ国の米国債保有シェアは、FRBによる保有分を除く総残高の3.2%だった。一方、昨年の同シェアは2.5%だった。
興味深いのは、2014年半ばから2016年初めにかけて、石油価格が75%下落したにもかかわらず、米国債保有にほとんど影響を与えていなかったように見えることだ。とにかく、まだ見られない。
同じ12カ国の、2014年半ばにおける米国債の保有シェアは、FRB保有分を除き2.4%だったが、当時、1バレル当たり115ドルだった石油価格は、過去数年で最低値となる27ドルに向かって下降線をたどり始めたころだった。
こうした産油国は米国債の保有を増やし続けている。12カ国の2007年の保有額は計1180億ドルだったが、昨年は5000億ドルを超えた。
だが2008年半ばには、FRBの量的緩和策とともに、1バレル当たり148ドルという記録的高値から石油価格が暴落すると、米国債へのオイルマネーの流入は減少した。
<黒字から赤字へ>
産油国による国際投資動向を把握するのは難しいことで知られる。情報がほとんど公開されないからだ。
保有規模さえ不透明なこともある。国際通貨基金(IMF)は2007年、アラブ首長国連邦(UAE)の政府系投資ファンドの保有額は約2500億─8750億ドルと推定している。
巨額のオイルマネーが、英国(ロンドン)、ベルギー、ルクセンブルク、アイルランド、スイス、ケイマン諸島といったオフショア金融センターを通じて海外で再投資されているとみられている。
株式から債券に至る米国証券の昨年におけるオフショア保有残高17.13兆ドルのうち、こうした金融センターは6.56兆ドルを保有している。つまり、4割近くを、これら比較的小さな、率直に言ってごく小さな拠点に握られているということを意味する。
その一部は、中央銀行の資産買い入れで直撃を受けた国債利回りよりもハイリターンが望める株式や社債といった、よりリスクの高い資産に分散されることはほぼ間違いないだろう。
見方によっては、オイルマネーの世界的影響力は2006年にピークを迎えていたのかもしれない。BNPパリバによると、石油・エネルギー輸出国は同年、約5000億ドルを世界の銀行貸出市場と金融市場に再循環させていたという。
2000年から2014年までの経常黒字で得た資金は、こうした国々に石油以外の収益と収入源を与えるため、政府系投資ファンドを介して海外市場に投入された。米国債投資は、彼らの自国通貨と米ドルのペッグ制を維持するための機能も備えていた。
このような好況だった時期に蓄えられた巨額の資金プールが、現在の厳しい状況を支えている。中東・アフリカ諸国の政府系ファンドは現在、3兆ドルを超える資産を運用している。金融危機以前の2007年に抱えていた資産運用額およそ1.6兆円の約2倍の規模だ。
しかし、過去2年間の原油価格が60ドルを下回り、また、その時期の大半で50ドルを下回っていることを考えれば、こうした国々の財政状況は切迫している。短期的には、最近のカタールとの国交断絶問題で起きたように、自国通貨と米ドルのペッグ制が脅かされる可能性がある。また長期的には、国内の社会的・経済的圧力によって、外貨準備高は増えるのではなく、減少するだろう。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国は2015年、全体として1998年以降で初めて経常赤字となった。サウジアラビアの赤字は昨年、国内総生産(GDP)比8.7%だった。同国は2005年には、GDP比で約30%の黒字を計上していた。
FRBが徐々に米国債保有を減らし始めても、サウジアラビアや他の石油輸出国はその穴埋めに名乗りを上げることは決してないだろう。わずか数年前なら話は別だったろうが。
http://jp.reuters.com/article/column-waning-power-of-petrodollar-idJPKBN19Z0L8?pageNumber=3
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